『楽園』宮部みゆき

楽園 上

楽園 下

姉に借りて読みました（スペースの問題から文庫本以外は買わないことにしているので）。以下ネタバレな感想を〜。

• 模倣犯の影響を色濃く残す世界、ということで滋子さん再登場。彼女は読んでいて非常にストレスを感じない良いキャラクターになりましたねー。前作では変にとんがってたり姑や夫といろいろあったりでアレでしたが。
• 序盤で出てきた刑事さん話、ピンと来なかった…！悔しい！娘がいた刑事さんが模倣犯で中心人物の一人だったような記憶はおぼろにあるのですが、細部がさっぱり。覚えていれば「あああの二人くっついたわけね」的なリアクションがとれたんだろうなあ、残念です。模倣犯読み直そうかとも思うのですが、あれ内容がしんどいからなあ…
• ピースのその後についても少しだけ触れられてましたが、退廷を命じられただのすごく彼らしい後日談でした。うん、彼は最高裁で死刑宣告されるころにはもう精神的に破綻してそうだなと思ってたんだ。
• 敏子さんは好きにならざるをえないキャラクター。怒涛のラストでまさかあんな役割を果たすとは思いませんでしたし、まさかハッピーエンドを迎えられることになるとは。内容がかなり重いのに彼女のお陰でまた読み返したくなれる作品になってる感じです。
• シゲは驚くほど内面に触れられませんでした…かといって火車ほど徹底して姿を見せないわけでもなく。うーん、彼の扱いに関してはやや不満です。こんなのっぺらぼうな犯人、宮部さんらしくないような。
  ただ彼ののっぺらぼうさをも計算された表現なんじゃないかという気もします。なんてったって相手はかの宮部みゆき。近いうちにもう一度読み返して考えたいです。